「酵素ダイエット」は本当に効果があるのか?

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少し前から酵素ダイエットが流行しています。

果たして酵素ダイエットは本当に効果があるのでしょうか。

酵素はそのままでは吸収されない

実は酵素はタンパク質で出来ています。タンパク質は胃や腸で消化されて分解されてアミノ酸になった後、吸収されます。酵素も分解されて、最終的にはアミノ酸になってしまいます。つまり、酵素そのものは吸収されず、バラバラに分解されてから吸収されます。

このため、いくら酵素ドリンクなどを飲んでも、それ自体で痩せることはないと考えられます。

ではなぜ痩せるのでしょうか?

おそらく、計るだけダイエットと同じような心理的な効果が高いのではないかと思われます。

計るだけダイエットは毎日体重計に乗るだけで痩せるというものです。無意識的に食べる量をコントロールし、意識的に体を動かすようになります。それがダイエットにつながります。酵素ダイエットも同じで、「自分はいまダイエットをしているんだ」という意識があるため、体重増加につながる行動を控える傾向になり、結果として痩せるものと考えられます。

酵素食品自体にはダイエット効果はありませんが、心理的な要因が重なって体重増加が減っていくケースがほとんどだと思われます。

酵素は体によい

ダイエットには直接効果はないかもしれませんが、酵素自体は体に良いものと言われています。それは酵素が消化を助けてくれるからです。

マウスに生の食品と加熱した食品を与えると、生の食品を与えられたマウスは脾臓が小さくなるそうです。脾臓は消化液を出す器官です。生の食品には酵素が含まれていて、消化を助けてくれます。結果として消化液を出す量が減って脾臓が小さくなります。つまり、少ないエネルギーで消化が可能になりますし、より消化率が上がることにつながります。

また、酵素には補酵素といって、消化されないものもあります。実はコエンザイムQ10は補酵素の一つです。酵素食品には補酵素も含まれているため、これを摂取することによって健康にとってプラスと言えます。

酵素食品自体にはダイエット効果はありませんが、栄養補助食品としてうまく活用すれば、より健康的なダイエットも可能になるかもしれません。